大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

名古屋地方裁判所 昭和60年(わ)927号 判決 1985年8月09日

本店所在地

名古屋市港区浜一丁目一番一号

橋元興業株式会社

右代表者代表取締役

橋元幸助

本籍

石川県珠洲市寶立町宗玄二五字三四番地

住居

名古屋市瑞穂区岳見町二丁目二〇番地

会社役員

橋元幸助

大正八年一月五日生

右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は検察官中野俊彦出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告会社を罰金七〇〇〇万円に処する。

被告人橋元を懲役二年に処する。

被告人橋元に対しこの裁判確定の日から五年間右刑の執行を執予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人橋元興業株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市港区浜一丁目一番一号に本店を置き、パチンコ遊技場等を経営するもの、被告人橋元幸助は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄するものであるが、被告人橋元幸助は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上の一部を除外する方法により所得の一部を秘匿した上

第一  昭和五六年二月一日から同五七年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が五億九、九七九万八、二二六円で、これに対する法人税額が二億四、九八九万八、二〇〇円であるのに、同五七年三月三一日、名古屋市中川区尾頭橋一丁目七番一九号所在の中川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が五億三、〇四〇万八、九二六円であり、これに対する法人税額が二億二、〇七五万四、四〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二、九一四万三、八〇〇円を免れ

第二  同五七年二月一日から同五八年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が六億七、五〇八万七、四四一円で、これに対する法人税額が二億八、〇四八万六、二〇〇円であるのに、同五八年三月三一日前記中川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四億七六万七、〇一一円であり、これに対する法人税額が一億六、五二七万一、八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額一億一、五二一万四、四〇〇円を免れ

第三  同五八年二月一日から同五九年一月三一日までの事業年度における被告会社の実際の所得金額が三億九、一九三万五、九三〇円で、これに対する法人税額が一億六、一八三万六、五〇〇円であるのに、同五九年三月三〇日、前記中川税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億七、八五九万三、五一〇円であり、これに対する法人税額が七、二二三万二、八〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額八、九六〇万三、七〇〇円を免れ

もって、それぞれ不正の行為により法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

被告人の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠

甲の2ないし23、30ないし36、38ないし42

乙の1ないし15

(法令の適用)

罰条

被告会社 各法人税法一五九条、一六四条一項

被告人橋元 各同法一五九条一項

刑種の選択 被告人橋元につき懲役刑

併合罪の処理 刑法四五条前段、被告人橋元につき同法四七条本文、一〇条、被告会社につき同法四八条二項

刑の執行猶予 被告人橋元につき刑法二五条一項

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 笹本忠男)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例